ダイニングを通ると、シンジが、朝食の支度をしていた。
「おはよう。」
「おはよう。」
キッチンに向かったまま、シンジが答えた。

トイレに行って、顔を洗って、髪を梳かし、ダイニングに戻った。
「何飲む？」
シンジが、キッチンに向かったまま聞いた。
「んー。コーヒー薄めかな。」
そう言って、椅子に腰を下ろした。
トースターからパンが出ていた。
トースターからパンを出して、パンを入れ、取り出したパンにバターを塗る。

「お待たせ。」
シンジが、私の前に、ベーコンエッグの載ったお皿と、コーヒーの入ったカップを置く。
「ありがと。」
そう言いながら、テーブルの向こう側のお皿にトーストを置いた。

「おはよう。」
ミサトが支度を終えた感じで、ダイニングに入ってきた。
「おはようございます。」
シンジが言う。
「おはよう。」
私も言った。
「何飲みますか？」
シンジが聞く。
「コーヒー薄めで。」
ミサトが椅子に腰を下ろす。
「それ、食べる？」
向かい側に置いたトーストを見ながら言った。
ミサトが、シンジの方を、ちらっと見た。
「じゃあ、もらうわ。」
そう言って、ミサトが、トーストを手に取った。

「お待たせしました。」
シンジが、お皿とカップを、ミサトと自分の前に置く。
「ありがと。」
ミサトが答えた。

「レイとは、どこで合流するの？」
ミサトがコーヒーを飲み込む。
「松代駅。０９３０よ。」
ミサトが答えた。
「そうなんだ。」
「ま、家まで行くのもなんだし。」
「なるほど。」
そう言って、コーヒーを飲み込んだ。
 

自室

「これでいいかな．．．」
スカートは止めたけど、結局、普段着で行くことにして、普通にメークした。
「よし。」
そう言って、立ち上がった。
 

リビングには、まだ誰も出てきていなかった。
「ふむ。」
そう呟いて、ソファに腰を下ろした。
窓の向こうが、少しまぶしくなり始めていた。
「平和ね．．．」
小さく呟いて、目を閉じた。

「アスカ。」
シンジの声がして、そして、シンジの手が肩に触れた。
「うん。」
そう言って目を開けた。
「あ。起きてたんだ。」
「一応ね。」
そう言って、シンジを見た。
「行こう。」
シンジが微笑む。
「うん。」
シンジに微笑んだ。
 

メゾン松代 駐車場

ルノーのドアを開けた。
「お待たせ。」
ミサトに声をかける。
「ううん。まだ、アイドルしてるところだから。」
椅子を倒して、後部座席に入る。
椅子を戻した。
シンジが、ドアを閉め、シートベルトを締める。
ルノーが動き出した。
 

戦略自衛隊 松代駐屯地

ゲートで、ルノーの中から、IDカードを見せて、中に入った。
ミサトが、駐車場の端の方に止める。
「行きましょう？」
ドアをロックしたミサトが、植え込みの切れ目に入っていく。
「毎日、ここ通ってるの？」
「ええ。近いでしょ？」
「まあ、そうだけどさ．．．」
「いいのよ、別に。他にも、切れ目たくさんあるし。」
「そういうもの？」
「そういうもの。」
ミサトが、私を見て悪戯っぽく微笑む。
私も思わず微笑んだ。

「じゃあ、１５分後に入り口で。」
３階に着いたところで、ミサトが言う。
「「了解。」」
そう言って、それぞれの部屋に歩き出した。
 

３３号室

「おはよう。」
マヤが、私の方を見て言う。
「おはよう。」
マヤに微笑んだ。

バッグを机に置きながら、端末のスイッチを入れた。
椅子に腰を下ろして、端末の立ち上がるのを待つ。
「今日は、出かけるの？」
マヤが言う。
「ええ。ちょっと箱根に。」
「箱根．．．そう。気をつけてね。」
「ええ。ありがと。」
端末にパスワードを入れた。

「それじゃ。」
バッグを持って、椅子から立ち上がりながら言った。
「いってらっしゃい。」
マヤが、私を見て微笑んだ。
 

建物の入り口に、シンジが立っていた。
「ミサトはまだ？」
「うん。まあ、メールとかたくさんあるんじゃない？」
「まあ、そうね。」
そう言って、外を見た。
夏の強い日差しが目に入る。
建物の中に視線を戻すと、光の残像が壁に映って、ちらちらと瞬きながら消えた。
「おまたせ。」
階段の上から、ミサトの声がした。
「メールとか大丈夫？」
「重要そうなのだけ見たわ。」
ミサトが側に来て言う。
「ま、そんなもんよね。」
「そういうこと。行きましょう？」
そう言って、ミサトが歩き出した。
 

車庫

ミサトが入っていって、整備士とおぼしき人に声をかける。
整備士が、大きな車の方を指差した。
ミサトが微笑んで、車の方に歩き出した。

ミサトが、車を私たちの前で止める。
ドアを開けて乗り込んだ。
シンジがドアを閉める。
「すごい車ね。」
「まあ、舗装されてないところとかあるから。」
「ランドクルーザー？」
「そう、ね。」
車が走り出した。
 

松代駅

ミサトが携帯を取り出してボタンを押していく。

「レイ？ミサトだけど。」

「松代駅に着いたわ。」

「はい。よろしく。」
そう言って、ミサトが電話を切った。
「地下にいるの？」
ミサトに聞いた。
「ええ。暑いしね。」
「そうね。」
沈黙が流れた。

少しして、レイが出口から出てきた。
レイが、周りを見回すようにして、そして、私たちに気づき、歩き出した。
レイが、ドアを開ける。
「おはよう。」
ミサトが言う。
「おはようございます。」
レイが答えた。
「おはよう。」
レイに言った。
「おはよう。」
シンジが言う。
「おはよう。」
レイが、私たちに微笑んだ。
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モニターのこちら側 Genesis 3:95 完 

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