駅前ロータリー入口

信号待ちをしていた。
「どこ行こうか？」
シンジが言う。
「うーん。」
そう言って、周りを見回した。
「東急？」
「そうかな。やっぱり。」
「うん。」
「じゃあ、そうしようか。」
「了解。」

信号が変わって、東急の方に歩き出した。
 

東急 本館１Ｆ

入ってすぐのアクセサリー売り場のショーケースを見ていた。
「あれ、どうかな。」
小さなサファイアのついた指輪を指差した。
「似合うんじゃない？」
シンジが言う。
「そう？」
「うん。」
「どうかな。」
レイを見た。
「似合うと思う。」
レイが静かに言う。
「そっか。じゃあ、そのうち買ってもらっちゃおうかな。」
そう言って、シンジを見た。
「え．．．まあ、善処させていただきます。」
シンジが苦笑いをしながら言った。
「冗談よー。そんなに高くないから、そのうち自分で買うわ。」
そう言って、シンジを見て、そして、レイを見た。
レイが、微笑みながら、私を見ていた。

「レイは、どんなのが好きなの？」
ネックレスを見ながら言った。
「赤系統が好きかな。」
レイが言う。
レイを見た。
レイが、ルビーのついたネックレスとイヤリングのセットを見ていた。
「そうなんだ。」
そう呟いて、そのネックレスを見ていた。

少し中に入っていくと、母の日の売り場ができていた。
母の日か．．．
なんとなく寂しいような切ないような気分になって、売られている品物を眺めていた。
沈黙が流れた。

目を移すと、婦人靴売り場があった。
「ちょっと見ていい？」
シンジを見て言った。
シンジが私を見て頷く。
微笑みながら、シンジに頷いた。

「もう夏の品物ね。」
そう言いながら、並んでいるサンダルを眺めた。
「これかわいくない？」
小さなリボンのついたサンダルを指差して言った。
「そうね。」
レイが、私の横で小さく言う。
「色違いがあるよ。」
レイを見て言った。
「うん。」
「おそろいにしようか。」
「いいかも。」
「どうしようかなー。」
「．．．」
少し眺めながら、考えていた。
「ちょっと、今日は保留。」
レイを見た。
「ごめんね。」
レイに言った。
レイが小さく首を振った。

靴売り場を歩いていくと、水着売り場が目に入った。
水着か．．．
「夏、海、行く？」
なんとなく呟いた。
「ああ。そうだね。」
シンジが呟く。
レイを見た。
レイが、小さく頷いた。
「一緒に買いに来ようね。」
レイに言った。
「ええ。」
レイが、微笑んだ。
 

シェルシェ２Ｆ アーバンファッション街区II

ジーンズを見ていた。
「これ、どうかな．．．」
ＳＥＶＥＮを合わせて、シンジに見せてみた。
「いいんじゃない？」
シンジが、私を見て、言う。
「ちょっと、試着してみるね。」
「うん。」
レイを見た。
「レイは？」
レイは、ＪＡＭＥＳを手に取ってみていた。
「じゃあ、私も。」
「じゃ、行こう。」
そう言って、試着室に歩き出した。

「どう？」
試着室から出て、前にいたシンジに聞いてみた。
「うん。似合うよ。」
「そう？ありがと。」
そう言って、シンジに微笑んだ。
レイが、隣の試着室から出てくる。
レイが、私たちを見る。
「似合うよ。綾波。」
「ありがと。」
レイが微笑んだ。

「「お待たせ。」」
レイと、ジーンズの会計を済ませて、シンジに言った。
「ううん。」
シンジが、小さく首を振りながら言う。
シンジが、時計を見た。
「そろそろ、夕飯にする？」
シンジの時計を見ながら言った。
「そうだね。もう６時回ったから。ここでいい？」
「うん。いいよ。」
そう言って、レイを見た。
レイが、小さく頷く。
「じゃ、本館に戻ろう？」
「ええ。」
そう言って、エスカレーターの方に歩き出した。

「どれにする？」
フロアガイドを見ながら、シンジが言う。
「お昼が、おそばだから．．．」
フロアガイドを見ながら考えていた。
肉とか魚なしの料理のあるところ．．．
「イタトマ？」
「そうしようか。」
シンジが答える。
「じゃ、そうしましょ。」
レイを見た。
「ありがと。」
レイが小さく言う。
「ううん。」
小さく首を振った。
 

イタリアントマト 店内

「何にする？」
シンジが言う。
「うーん。」
メニューを見ながら呟いた。
「レイは？」
レイに聞いてみた。
「考え中。」
「了解。」
サラダに、パスタかドリアに、ケーキかな。飲み物は．．．

「お待たせしました。」
ウェイトレスが、私たちの前にトレイを置いていく。
シンジの前には、シーザーサラダとミートソースドリア、そしてミックスピザ。
レイの前には、きのこと大葉の和風スパゲッティ。
私の前には、ツナと海老のサラダとイカと明太子のクリームスパゲッティが置かれた。
「ごゆっくりどうぞ。」
ウェイトレスが歩いていった。

「「「いただきます。」」」
小さめの声で言って、フォークを取った。
サラダのツナと海老を、とりあえず食べた。
「いる？」
スパゲッティを食べているレイに言った。
「ありがと。じゃあ、少し。」
レイが、レタスとトマトを少し取る。
「ありがと。」
レイが微笑む。
「ううん。」
軽く首を振って、そして、サラダにフォークを伸ばした。
 

地下鉄内

「それじゃ。」
そう言いながら、レイが立ち上がる。
「うん。お疲れ。」
レイに言った。
「お疲れ。」
シンジが言う。
「お疲れ。」
レイが、微笑みながら、降りていった。

ドアが閉まり、地下鉄が動き出した。
「なんか疲れたね。」
シンジが言う。
「けど、楽しかったよ。」
向かい側に映る私たちを見ながら言った。
「そうだね。」
シンジが、微笑んでいた。
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モニターのこちら側 Genesis 3:89 完 

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