「セカンドチルドレン、サードチルドレンとシックスチルドレンの接触はうまくいったようだな。」
「黒き月は、人類の中に偏在している。」
「地球的規模のフィールドの展開が必要だ。」
「エヴァシリーズの再構成、急がせるべきでは？」
「リリスの召還のために慎重を期すべきだ。」
「時を逸してはならない。我々には時間がないのだ。」
「スケジュールには変更の要を認めず。
  次回の会合は、追って連絡させていただく。以上。」 
委員らの映像が、次々に消えていく。 

キールの前のモニターに栗色の髪の綾波レイの映像が表示されている。
「何を考えている。リリス。」
そう呟いて、キールの映像が消えた。 
 
 

第二東京大学 ９号館１２教室

教室に入ると、レイが、後ろの方の席に座っていた。
「あそこにする？」
シンジに聞いてみた。
「了解。」
シンジが答えた。

「おはよう。」
レイの横に腰を下ろしながら、声をかけた。
「おはよう。」
レイが、私の方を見て言う。
「おはよう。」
シンジが言う。
「おはよう。」
レイがシンジを見て言った。

「ゴールデンウィーク、どんな感じ？」
レイに聞いてみる。
「どんな感じ．．．」
レイが呟く。
「３０、１、２って休講みたいだから、どうするのかなって？」
「うん。けど、バイトがあるし。」
「そっか。」
「３、４、５はないけど。」
「そうなんだ。じゃあ、１日くらい、どこか行く？」
「二人がよければ．．．」
「いい？」
シンジの方を向いて聞いた。
「いいよ。どこにする？」
シンジが、苦笑しながら答える。
「うーん。」
そう言った瞬間、急に教室の中が静かになった。
ドアの方を見ると、先生が入ってきていた。
「続きは、お昼にでも。」
小さくささやいた。
「了解。」
シンジが、ささやく。
「じゃあ、そういうことで。」
レイの方を向いてささやいた。
「．．．」
レイが小さく頷いた。
 

喫茶店 ル・ブラン

「ご注文は？」
顔なじみのウェイトレスが言う。
「ハンバーグ定食。飲み物はブレンドで。」
シンジが言う。
「ナポリタンセット。飲み物はレモンティー。」
私が答えた。
「野菜サンドセット。レモンティーで。」
レイが答えた。
「はい。少々お待ちください。」
そう言って、ウェイトレスが歩いていった。

「それで、どうしようか。」
シンジが言う。
「うん。どうしよう。」
シンジからレイに視線を移しながら、答えた。
「．．．」
レイが、少し首をかしげるようにして、水の入ったコップに手を伸ばした。
レイからシンジに視線を戻す。
その時、少し思い出したことがあった。
「そういえば、昨日、何か言ってなかったっけ。えーと。」
「何言ったっけ。」
「なんか、そばとかスキーとか。」
「ああ。戸隠？」
「うん。それそれ。最初から行くつもりなら、１日で大丈夫でしょう？」
「そうだね。それがいいかな。あの辺りを少しまわって、そばを食べて帰ってくるのもいいかもね。ちょっと考えておくよ。」
シンジが、私に微笑む。
「うん。」
シンジに微笑んだ。
「いいかな？」
レイの方を見た。
「．．．」
レイが、微笑みながら、小さく頷いた。

「おまたせしました。」
ウェイトレスが声をかける。
「ハンバーグセットと、ナポリタンセット、そして、野菜サンドセット。」
それぞれの前に、トレイが置かれた。
「ごゆっくりどうぞ。」
そう言って、私たちに微笑むと、ウェイトレスが歩いていった。
「じゃあ、食べる？」
シンジに聞いた。
「そうだね。いただきます。」
そう言って、シンジが、ナイフとフォークに手を伸ばした。
「「いただきます。」」
そう言って、フォークに手を伸ばした。

「日にちはいつにする？」
シンジが、ハンバーグを口に運びながら言う。
「うーん。３日かな。」
そう言って、シンジからレイに視線を移した。
「．．．」
レイが口を動かしながら、軽く頷いた。
「日曜だと、混んでるかな。」
レイからシンジに視線を移した。
「．．．あんまり変わらないと思うよ。ゴールデンウィークだし。」
シンジが、ハンバーグを飲み込んで言う。
「そうだよね。じゃあ、３日でいい？」
「いいんじゃない？」
シンジが、頷きながら、ライスを口に運びながら言う。
「じゃあ、そういうことで。」
そう言って、レイを見た。
「了解。」
レイが微笑んだ。
 

第二東京大学 図書館

三人で語学の予習をしていた。
「ね。アスカ？」
「何？」
「これ、こんな感じでいいのかな。よくわかんないんだ。」
シンジが、ノートパソコンを、私に見せる。
「．．．なるほど。こういう感じだけど．．．」
そう言いながら、訳を少し直した。
「そう読むんだ。」
「うん。」
「なるほど。ありがとう。」
「どういたしまして。」
そう言って、フランス語の教科書に目を移した。

「そろそろ行く？」
シンジが、ノートパソコンを見ながら言う。
「そうね。」
私のパソコンも、アラームがポップアップした。
ノートパソコンを閉じる。
「じゃあ、また後で。」
「うん。それじゃ。」
シンジが、手を振って歩いていく。
手を振って見送った。
「いこっか。」
レイを見た。
「ええ。」
レイが微笑んだ。
 

図書館

シンジが、ノートパソコンで、経済学の資料を見ていた。
「お待たせ。」
シンジに声をかけた。
「いや。」
シンジが、私たちを見て、微笑みながら、首を振る。
シンジが、ノートパソコンを閉じた。
「行こうか。」
シンジが立ち上がる。
「うん。」
シンジに微笑んだ。
 

地下鉄内

シンジが、ノートパソコンを開いている。
「どんな感じ？」
ノートパソコンを覗き込んだ。
レイも、向こうからノートパソコンを覗き込む。
「行くところは、あんまり多くないね。長野から１時間で、ここと、ここと、ここ、かな。」
シンジが、戸隠奥社、戸隠森林植物園、徳善院蕎麦極意を指差して言う。
「午前中とお昼は、こんな感じかな。午後、ここに行くのもいいかもしれないけど、放牧は６月からみたいだし．．．」
シンジが戸隠牧場を指差して言う。
「まあ、こんな感じかな。」
「そうね。」
ノートパソコンを見ながら言った。
「じゃあ、集合は、長野駅に８時半か９時かな。どう？」
「．．．」
レイを見た。
「．．．」
レイが頷く。
「９時でも大丈夫？」
シンジを見る。
「多分ね。」
「じゃあ、そうしましょう？」
レイを見た。
「了解。」
シンジが答える。
レイが頷いた。
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モニターのこちら側 Genesis 3:85 完 

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