セブンイレブン 善光寺下店

お菓子の棚を眺めていた。
「アスカ？」
シンジの声。
「何？」
最中を眺めながら答えた。
「戸隠そばとか、食べに行く？」
「今から？」
「うん。」
「遠くない？」
「うーん。バスで１時間だったかな。この前、スキーに行く話したときに、ちょっとだけ見たんだ。」
「ふーん。スキー場があるの？」
「うん。あと、手前の飯綱高原にもあるよ。」
「そう。けど、ちょっと遠いかも。」
「まあね。」
「ここで何か買って、また、城山公園で食べない？」
「．．．そうだね。それがいいかも。」
「うん。じゃあ、ちょっと見てくるね。」
「うん。」
「レイ？」
そう言って、レイを見た。
「．．．」
レイが私を見る。
「行こ。」
「うん。」
そう呟いて、レイが頷いた。

「おそば？」
レイと並んで、お弁当のコーナーの前に立っていた。
「サンドイッチにしようかな。」
そう言って、レイが、野菜サンドを２つ取る。
「以上？」
「あと、甘いものと飲み物。」
小さく微笑みながらレイが言う。
「了解。」
私も微笑みながら、そう言った。
「じゃあ、どうしようかな．．．」
『シンジは、おそばよね。』
そう思いながら、割り子そばのパックを取った。
『あとは．．．』
おいなりさんと、明太子のおにぎり２つ、そして、レタスサンドを、買物かごに入れた。
「こんな感じかな．．．？」
レイを見た。
「．．．」
レイが無言で頷いた。
シンジを探すと、お菓子のコーナーにいた。

「シンジ。」
そう呼びかけると、シンジが私の方を見た。
「こんな感じ？」
買物かごを、シンジに見せた。
「うん。ありがとう。お菓子は、これとかどうかな？」
そう言って、シンジが、餡を自分ではさむようになっている最中を差し出した。
「いいかも。」
シンジが、買物かごの中にいれる。
「あと、チョコとか？」
「うん。」
「じゃあ、これは？」
キットカットを差し出した。
「うん。いいよ。」
「あとは、なんにしようか？」
「うーん。私はいいかな。レイは？」
レイを見た。
「．．．じゃあ、これ。」
レイが、お饅頭を取って、買い物かごに入れた。
「あとは、水？」
「うん。」
そう言って、飲み物のコーナーに歩き出した。
 

城山公園

少し葉が混じり始めていたが、まだ、桜が咲いていて、そこかしこに、お花見をしている人たちがいた。

「あそこにしようか。」
桜の木の間の空いている場所を指差して、シンジが言う。
「うん。」
答えながら、シンジの後を着いていった。

新聞を敷いて、その上にレジャーシートを敷く。
「ちょっと冷えるかもしれないけど。」
シンジが言った。
「ううん。」
小さく首を振りながら答えた。

レジャーシートに腰を下ろす。
少しひんやりとした。
隣に腰を下ろしたレイを見た。
レイが私を見ていた。
シンジが腰を下ろす。
「ちょっと冷たいね。」
シンジが、苦笑しながら、私たちを見る。
「そうね。」
苦笑しながら答えた。

「じゃあ、食べようか。」
「うん。」
そう言って、袋から、おそばとお茶を出して、シンジに渡した。
「ありがとう。」
シンジが、パックを持って、私たちを見ている。
袋から、野菜サンドとお茶を取り出して、レイに渡した。
「ありがとう。」
レイが言う。
袋から、レタスサンドと、お茶を取り出して、ひざの上に置いた。
「じゃあ、食べましょう？」
「うん。いただきます。」
シンジが言う。
レイを見た。
「「いただきます。」」
レイと二人で言って、そして、二人で笑った。

「次は、どこ行こうか。」
シンジが、おいなりさんを箸で取りながら言う。
「ん？いつの話？」
お茶を飲み込んで答えた。
「そうだね。次は夏休みかな。」
「夏休みか．．．」
レイを見た。
「．．．」
レイが私を見ていた。
「海かな．．．」
シンジを見て答えた。
「海かあ。そうだね。また、日本海の方、行く？」
「それもいいかも。」
レイを見た。
レイが、少し不思議そうな顔をしていた。
「ああ。一昨年の夏に日本海の方に、海水浴に行ったの。」
「そう。」
レイが、納得したような顔をする。
「あとは、去年の奈良と京都くらいだよね。」
シンジを見た。
「そうだね。あんまり遊びにとか行かなかったし。」
「うん。」
レイを見た。
「レイは、どこか行った？」
「ううん。」
レイが、小さく首を横に振る。
「そう。じゃあ、夏休み、海とか行こう。」
「うん。ありがとう。」
レイが、私を見て微笑んだ。

皆で、最中を食べていた。
「その場ではさむと、おいしいね。」
シンジに言った。
「そうだね。こういうの他にもあるのかな。」
シンジが言う。
「うーん。知らないけど。」
「ちょっと探してみようかな。」
「ふふ。期待してるね。」
「了解。」
シンジが微笑みながら、お茶を飲んだ。

「じゃあ、そろそろ帰る？」
シンジが、桜を見ながら言う。
「そうね。」
そう言いながら、レイを見た。
「．．．」
レイが私に頷く。
「じゃあ、行こう。」
そう言って、立ち上がった。

シンジが、新聞をたたんで、コンビニの袋に入れる。
「じゃ、行こうか。」
シンジが微笑む。
「うん。」
シンジに微笑んだ。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 
モニターのこちら側 Genesis 3:84 完 

モニターのこちら側 Genesis 3:85へ

Evaメニューに戻る