地底湖に立ち、戦艦を装甲車に投げつけ、戦略自衛隊のミサイルを受けとめ、ＶＴＯＬを叩き落としていく。前にも見た光景。 

『私、何してるんだろう。』 

攻撃が止み、残存部隊が後退していく。ジオフロントにいくつもの巨大な影が落ちる。 

「エヴァシリーズ．．．完成していたの。」 

空を見上げた私が呟く。前にも呟いた台詞。 

「いい、アスカ、エヴァシリーズは必ず殲滅するのよ。シンジ君もすぐに上げるわ。頑張って。 
  ―――で、初号機へは、非常用のルート２０でいけるのね。」 
「ハイ。電源は３重に確保してあります。３分以内に乗り込めば第７ケイジに直行できます。」 

前にもしたやり取り。 

私を取り囲む量産機。手に両頭の矛のような武器を持っている。 

「必ず殲滅、ね。 
  ミサトも病み上がりに軽く言ってくれちゃって。 
  残り３分半で九つ。一匹につき２０秒しかないじゃない。」 

「うりゃああああ！！！」 

目の前の量産機に突進し、ジャンプ。 
指先からＡＴフィールドを展開し、量産機の口の中に叩き込む。 
後ろに降り、倒れてくる量産機を抱え上げ、胴体を折る。 
モニターが赤く染まる。 

「ｅｒｓｔ！」 

量産機を地底湖に押し倒す。 

「ぬうわああああああああああああ！」 

プログナイフで頭を切り裂く。 
立ち上がり、次の量産機へ走る。 
プログナイフで右腕を飛ばす。 
頭に突き立てようとしたが、プログナイフが折れた。 
「ちっ．．．」 
量産機が残った左手で私の頭を押さえる。 
ＬＣＬが泡立つ。 
体をかわし、量産機の首に腕を回しながら後ろを取り、首を折る。 

瞬間、モニタが暗くなる。 
「クッ！？」 
上に、矛を上段に構えた量産機。 
受け身を取りながら、量産機の矛が突き立てられている場所に転がっていく。 

量産機が矛を振り下ろす。 
矛を抜く力で前に振り出し、矛を跳ね返す。 
量産機が腰をつく。 
矛を地面に突き立て体をとどめた。足が地面にめりこむ。 
矛を抜いて右に体を引き絞る。 
量産機が立ち上がった。 
「でぇええええええいっ！」 
矛の刃こぼれが飛び散る。 
「もう、しつこいわね！バカシンジなんか当てにできないのにっ！！」 

量産機が上段に構える。 
「！ 
  あああ！」 
上段から押し込むように打ち込む。 
量産機の態勢が崩れ、矛が後ろの地面に突き刺さる。 
矛を量産機の頭に叩き込む。 
返り血を浴びた。 

『そう、そして、次々に量産機を倒すのよ。だけど．．．』 

矛を横に振り、目の前の量産機の胴体を横断する。 
量産機の上体が飛んでいく。 

．．．うしろ！ 

「うぁぁぁぁぁあああああ」 

振り向きざま、矛が激しくぶつかり刃こぼれを起こす。 
間髪入れず矛を振り出し、左足を断った。 
しかし、無理な振り出しに、体を支えきれず、態勢をくずしたところへ、次の量産機がのしかかってきた。 

「あああ．．．クッ」 

目の前に量産機の顔。口から粘菌のようなものを垂らしている。 
肩から、小型ミサイルを発射した。 
飛ばされ、仰向けに倒れる量産機。 

『．．．だけど．．．』 

「ぬぅあぁあぁぁあああっ！！」 
量産機に喉輪をくらわせたまま、ビルに叩き込む。 
返り血を浴びた。 
「負けてらんないのよ。ママが見てるのに。」 
ビルから量産機を引き出し、振り向きざま、後ろの量産機に投げつける。 
量産機にダッシュする。 
「こぉれでぇ、ラストォオォォオオオ！！」 
量産機の頭を押さえつけながら、ＡＴフィールドをのせた右拳を折り重なった２機の量産機に一気に叩き込む。 
「ぐううう．．．」 
２機目の量産機に拳を押し込んでいく。 
「ぐああああああ！？」 
後ろから気配。 
振り向くと矛が飛んでくる。 
右手を抜いて、矛の方に向け、ＡＴフィールドを展開、矛を押さえた。 
空中に止まった矛が、変形を始める。 
「ロンギヌスの槍！？」 
槍がＡＴフィールドを破り始める。 

『ロンギヌスの槍がＡＴフィールドを貫き、弐号機、そして、私の目を．．．』 

『もういいのよ、アスカ。』 

横から何かが、私を突き飛ばす。 
『え？！』 
ロンギヌスの槍の前に、弐号機が立っている。 
ロンギヌスの槍が、弐号機の頭を貫通する。 
弐号機が倒れた。 
『あ．．．何？．．．これ．．． 
  私が．．．死ぬはずじゃ．．．』 

倒れていた量産機が、次々に起き上がり、再生していく。 
羽を広げた量産機達が、目の前の弐号機に群がり、ついばんでいく。 

『いきなさい、アスカ。』 

量産機達が弐号機の筋を引っ張りながら、飛び立つ。 
装甲を剥がされ、内臓がむき出しになった弐号機。 

『うそ．．．ママ．．．？』 

弐号機の手が私の方に伸びる。 
『．．．アスカ．．．』 
『ママ．．．』 
『愛してる．．．わ．．．』 
ロンギヌスの槍が、目の前の弐号機に突き刺さっていく。 

『ママ！！！！！』 
『い．．．き．．．なさい．．．アスカ．．．』 
『ママ．．．』 
ＬＣＬの中を落ちる涙。 

アスカの乗った弐号機が姿を消す。 

弐号機に突き刺さったロンギヌスの槍が黄色の肉芽状になり、ＬＣＬ化しはじめる。 
弐号機も、ＬＣＬ化しはじめる。 
溶けていく弐号機の中から姿を現すレイ。 

虚空を見るレイ。 
「次は．．．どこ？」 

レイが姿を消した。 
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モニターのこちら側 Genesis 3:0 完 

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