「これでいい？」
アスカが、Ｔシャツとジョギパンを見せる。
「．．．いいよ。」
マユミが、躊躇いがちに言う。
「ちょっと恥ずかしい？」
「．．．うん。」
「パンツとかあったかな．．．」
アスカが、押し入れの中の収納箱を、かわるがわる開けては、中を見ている。
「あ、やっぱり、それでいいから。」
アスカが、首を回して、マユミを見る。
「いい？」
アスカが少し心配そうな顔をする。
「うん。大丈夫だから。」
マユミが、少し作ったように微笑む。
「ごめんね。」
アスカが、申し訳なさそうにマユミを見ながら、収納箱を閉めた。

「じゃ、これ。」
アスカが、マユミに、部屋着と下着を渡す。
「ありがと。」
マユミが微笑む。
「洗って、乾燥機に入れれば、すぐ乾くから。」
「うん。」
「じゃ、行こう。」
「うん。」
二人が、部屋を出た。

アスカが、タンクトップを脱いで、洗濯機に入れる。
マユミが、アスカを見ていた。
アスカが、マユミを見る。
「どうしたの？」
アスカが言う。
「服、どうすればいい？」
マユミが言う。
「あ、ごめん。この籠に入れるのでいい？」
「うん。分かった。」
マユミが微笑んで、部屋着を籠に入れた。
アスカがジョギパンを下ろして、籠に入れる。
ショーツを下ろして、洗濯機に入れた。
マユミが、ブラウスのボタンを外して、後ろ手に脱ぎ、洗濯機に入れる。
ブラジャーを外し、ショーツを下ろして、洗濯機に入れた。
アスカが、洗濯機に洗剤を入れ、スイッチを入れた。

アスカが、左手にビニール袋を被せて、輪ゴムで止めている。
「それ．．．」
マユミが聞く。
アスカがマユミを見る。
「ホントは、お風呂入っちゃいけないの。」
アスカが苦笑いする。
「けど、気持ち悪いし。」
「そうね。」
マユミが微笑んだ。

二人が、浴室に入る。
アスカが、湯船に右手を入れた。
「こんな感じかな。」
アスカが、マユミを見る。
マユミが、湯船に右手を入れた。
「そうだね。」
マユミが、微笑む。

「お湯、かけてあげる。」
マユミがアスカに言う。
「あ、ありがとう。」
アスカが、そう言いながら椅子に腰をおろした。
「手、上げて。」
「うん。」
アスカが、左手を上げる。
マユミが、お湯を汲んで、アスカの背中、そして、肩口から胸にかけていく。
もう一杯汲んで、お腹から、足に。
「ありがとう。」
アスカが言う。
「ううん。頭とか洗う？」
マユミが言う。
「え。けど、悪いから。」
「洗ってあげるね。」
「ありがと。」

マユミがアスカの髪を濡らし、シャンプーを髪に広げて、泡立てていく。
地肌を指の腹でやさしく撫ぜていく。
シャワーで、シャンプーを流していく。
シャンプーを手に取り、髪に広げて、泡立てる。
シャワーでシャンプーを流していく。
リンスを手に取り、髪になじませ、軽くシャワーで流した。
アスカの顔をシャワーで軽く流し、目からシャンプーを落とすように、やさしく撫ぜる。
アスカの右手をシャワーで軽く流した。
「いい？」
マユミが言う。
「うん。」
アスカが、指で目の水滴を取るように擦る。
「ありがとう。」
アスカが微笑む。
「体も洗ってあげる。」
「え．．．うん。」
沈黙が流れた。

マユミが、ボディーソープを手に取り、軽く泡立てて、アスカの背中に広げていく。
右肩、右手、そして左肩。
「こっち向いて。」
「うん。」
首から、右胸、そして、左胸。お腹、股、右足、左足へと広げていく。
マユミが、シャワーをあてながら、手でぬめりが取れたのを確かめながら、流していく。
背中から、右手、首、胸、お腹、股、そして、足。
「顔も洗わないと。」
「うん．．．」
アスカが少し顔を赤くして頷いた。

マユミが、洗顔フォームを手に取り、軽く泡立てて、アスカの顔に広げていく。
シャワーをあてながら、手でぬめりを取っていく。
最後に、目をやさしく流した。
「これでいい？」
アスカが、目を開く。
「うん。ありがと。」
アスカが、少しはにかみながら、微笑む。
「どういたしまして。」
マユミが微笑んだ。

「先に入るね。」
「うん。」
アスカが立ちあがり、浴槽に入った。

マユミが、シャワーで髪を濡らし、シャンプーを伸ばして、シャワーで流す。
もう一度洗って、リンスを伸ばし、軽く流した。
体にボディーソープを伸ばし、シャワーで流す。
最後に、洗顔フォームで、顔を洗った。

マユミが目の水を拭って、アスカを見る。
アスカが浴槽の縁に腰をかけて、マユミを見ていた。
「お待たせ。」
マユミが微笑む。
「ううん。」
アスカが微笑んだ。

マユミが、浴槽に入り、体を沈める。
アスカもそうした。
「人に体洗ってもらうのって、物心ついてから初めてかも。」
アスカが口を開く。
「そう。」
マユミが呟いた。
「ありがと。」
アスカが、マユミに寄りかかるようにする。
「ううん。」
マユミが呟いた。

「そろそろ出る？」
マユミが言う。
「うん。」
アスカが言う。
アスカが、左手を浴槽の縁に置く。
マユミが、アスカの肩に手を置く。
「待ってて。」
「．．．」
アスカがマユミを見る。
マユミが静かに立ちあがり、浴槽から出た。
マユミが、少しかがんで、アスカに右手を伸ばす。
「アスカ。」
「うん。」
アスカが微笑みながら、マユミの右手を右手で掴み、立ちあがった。
「ありがと。」
「どういたしまして。」
二人が、ドアの方に歩き出した。

アスカが、先に出て、バスタオルを取って軽く体を拭き、キャビネットからバスタオルを出して、マユミに渡す。
「はい。」
「うん。ありがと。」
マユミがバスタオルを受け取り、体を拭き始めた。

「髪、どうしてるの？」
ショーツをはいたマユミが言う。
「部屋で、乾かしてるけど。」
アスカが、ジョギパンを引き上げながら言う。
「そう。」
沈黙が流れた。

アスカが、洗濯機から、下着とタンクトップとマユミのブラウスを取出して、乾燥機に入れる。
乾燥機のスイッチを入れた。

「じゃ、行こう。」
アスカが、マユミに微笑む。
「うん。」
マユミが、微笑みながら頷いた。

「こんな感じで、いい？」
マユミが、ドライヤーを離して言う。
「うん。ありがと。」
アスカが言う。
「じゃ、私もお願い。」
マユミが、ドライヤーのスイッチを切って、アスカに渡す。
「うん。」
アスカが椅子から立ち上がり、マユミが椅子に腰を下ろした。
アスカが、ドライヤーのスイッチを入れて、マユミの頭を撫ぜながら、ドライヤーをあて始めた。

「これでいい？」
毛先を手のひらにのせて、ドライヤーをあてながら、アスカが言う。
「うん。ありがと。」
マユミが、アスカを見る。
「どういたしまして。」
アスカが微笑んだ。
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