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「いくわ。」
私と体を合わせていたレイに言った。
「どこへ？」
レイが答える。
「元の世界へ。」
「どうして？」
「あいつと融合しているなんて．．．我慢できないわ。」
「．．．そう。」

人類補完計画の発動した世界。私の前には、レイがいる。
そして、その向こうには、あいつや、ミサトや、ヒカリ、そして、全人類の気配がする。
「碇君も、元の世界へ戻ろうとしているわ。」
「え？」
どうして？
「もう一人の私が碇君と一緒にいるから．．．」
私が心の中で呟いたことにレイが答える。
「そう．．．」
そういうこと．．．

「私、あいつに会うかしら？」
「ええ。すぐに会うわ。」
「そう。」

「私が、ここに残ったら、あんた、ずっと、そばにいてくれる？」
「ええ。」
「ずっと、見ていてくれる？」
「ええ。」
「ずっと．．．」
「ええ。」

レイに抱きしめられた。
 

星の降る砂浜。
遠くに巨大なレイの顔が見える。
十字架のペンダントがかけられた十字架。
海辺に横たわるシンジとアスカ。
アスカの右手と頭には包帯が巻かれている。

シンジは空を見ていた。
アスカは心を閉ざしていた。

碇君．．．

シンジが、ふと起き上がって海を見ると、制服姿の綾波がいた。
そして消えた。

綾波．．．

シンジはアスカの首を絞める。
強く。

碇君．．．

アスカが右手でシンジの頬を触れた。
手をゆるめ、泣き出すシンジ。
アスカの頬に落ちる涙。
手を離し、うずくまるシンジ。
アスカの目がシンジを見る。

「碇君．．．」
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モニターのこちら側 Genesis 1:x 完 

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