ラッピングされたキャンディーやクッキー。
人形のキャンディーの詰め合わせ。
ブランデーのミニボトル。

なんとなく、箱に入った、ブランデーのミニボトルを見ていた。
「これ、お願いします。」
「はい。１０００円になります。」
売り子の女の子が私を見る。
「はい。」
１０００円を渡した。
青銀色の包装紙に包まれ、金のリボンがかけられた箱の入った手提げ袋を貰う。
「ありがとうございました。」
 

その一ヶ月前。

夜１０時。部屋のドアの鍵を開ける。
鍵を締め、パンプスをぬぎながら声をかける。
「ただいま。」
マヤが出てくる。
「おかえりなさい。お風呂、わいてます。」
「ありがとう。」
マヤの横を通り、自分の部屋へ。
ドアをあけ、バッグをキャビネに置く。
上着を脱ぎながら、机の方を見た。
ラッピングされた箱が置かれている。
机に歩いていった。
箱の脇にマヤの文字でメモ。
『Ｈａｐｐｙ Ｖａｌｅｎｔｉｎｅ！』
クス。
思わず微笑んでいた。
箱を開ける。
キスチョコだった。

部屋着に着替えて、部屋を出る。お風呂へ行くためにダイニングを通る。
椅子に掛けていたマヤが、私の方を見る。
「先輩？」
マヤを見た。
マヤの方に歩を進める。
「ありがとう、マヤ。」
マヤにくちづけた。マヤの舌に舌を絡める。
唇を離した。
マヤを見つめる。
「先輩？」
「何？」
「もう、食べてくれたんですね．．．」
クス。
問いには答えずに、もう一度、マヤにくちづけた。
 

７分後。

部屋の鍵を開ける。
鍵を閉め、パンプスを脱ぎながら声をかける。
「ただいま。」
マヤが出てくる。
「おかえりなさい。食事、まだですよね？」
「ええ。」
「お風呂、先にします？」
「そうするわ。」
「はい。」
「そうだ。これ。」
ラッピングされた箱を取り出して、マヤに渡す。
「あ．．．うれしいです。先輩。」
「よかった。」
マヤに微笑んで、自分の部屋へ。

お風呂に行くためにダイニングを通る。
マヤは、自分の部屋にいるようだった。

お風呂から出ると、マヤが食事の支度をしていた。
いつもの椅子に腰をおろし、マヤを見ていた。

ヒレ肉のステーキに、サラダ、スープ、ライスが並ベられる。
いつもと違って、二人並んで座るように並ベられた。
「食べましょう？」
「ええ。」
マヤがグラスと、ミニボトルを持って、私の隣に座る。
マヤがグラスにブランデーを注ぐ。
マヤを見ていた。
マヤが私を見る。
マヤが悪戯っぽく微笑んだ。
「先輩。」
マヤがグラスに口をつける。
マヤが私にくちづけた。
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モニターのこちら側 Genesis 0:Ex.1 完

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